―思い出した。
あいつらは、妹を……未彩を殺した。
怪我をしていたから。死にかけていたから。
理由は、いくらでもつけられる。
だが―許せない。
許容できない。
あいつらを全員―殺してやる。
気がつくと、遊園地のエントランスに立っていた。
「……早くしないと手遅れになるよ。ほら、化け物がすぐそこに――」
その直後、奇声と共に見たことの無い化け物が広場に侵入し、人々を貪りはじめた。
化け物の食欲が収まり、すみやかに去っていった後に生き残っていたのは十二人だった。
「さっきも言ったように、残された人類は、今ここにいるだけなんだ。
でも、ここにいる全員を生き残らせることはできない。だから、これからその人数を……二人にまで減らしてもらうことになる」
続く言葉は、想像を遙かに超えて悪質だった。
「みんなで選ぶんだ。誰が生き残るべきかってことを。そして、誰が生き残るべきじゃないのかってことを」
ストーリー考察 †